「BFC」をご存じですか?
こんにちは、中国経済産業局 書店振興プロジェクトチームです。
本日は当チームが注目している書店業界の取り組みを紹介します。
その名は「BFC」。
“Book Fair Championship”の略語で、名前が示すとおり書店員がフェアの腕を競い合うチャンピオンシップだそうです。
見事チャンピオンに輝いた書店員には、賞金とチャンピオンベルトを贈呈。本の売り手である書店員の企画意欲を搔き立て、書店の売場がより魅力的なものになることを目的として創設されたとのことです。
仕掛け人は実行委員長である、蔦屋書店梅田店店長の北田博充さん。ご本人が大のプロレス好きで、著書「本屋のミライとカタチ」の中で一時の低迷期から人気をV字回復させたプロレス業界を参考にした書店再興のための提言をされています。
今回のBFCもそこから着想の一端を得て企画されたそうです。これまでの業界になかった、とてもユニークな挑戦だと思います。
この取り組みに当チームが注目している理由は、書店員さんに「競争」のコンセプトをもたらそうとしている点にあります。
経済や産業の発展には、適切な競争が不可欠だと言われています。競争相手がいない、競争に勝っても報われないという環境では、新しいことに挑戦するモチベーションが失われてしまうからです。
このような事態を避け、公正かつ自由な競争を促進するため政府は公正取引委員会を置いて独占禁止法を運用しています。
経済産業省の外局である特許庁においても、特許をはじめとした知的財産権を保護する法律を所管しています。これらは新しい技術等を開発した人や企業に一定の独占権を認めることによって研究開発へのインセンティブを付与し、産業の発展を図ることを目的にしています。
特許庁HPスッキリわかる知的財産権 https://www.jpo.go.jp/system/basic/index.html
このように、政府にとっても適切な競争環境を維持することは重要なミッションとなっています。それだけ競争には人を奮い立たせる力があるのだと思います。
頑張った書店員に光が当たり、チャンピオンベルトが巻かれるステージを創設することは、これまで社内に閉じていた競争を業界全体に拡大するものです。それは、もっとよいフェアを企画しようというモチベーションを一人一人に付与することでしょう。その書店員同士の努力による切磋琢磨が業界を発展させ、最終的には書店に通うお客様に還元されれば理想的ではないでしょうか。
BFCは現在、初代王者を決定するための審査が行われており、その後も年に2度のペースで開催される予定とのこと。
本noteでもその模様を追いかけて参りたいと思いますので、皆さんもぜひ“Book Fair Championship”にご注目ください!